上埜動物病院ワンちゃんのおすすめフード
コラム 2016年07月12日
ワンちゃんのしつけ
ほめること
最近はよく“ほめてしつけましょう”と言いますが、ではどのようにほめるのが良いのでしょう?
逆にどのようにしかるのが良いのでしょう?こちらはほめているつもりでも全然ワンちゃんが喜んでいなかったり、叱っているつもりなのに喜んでいる事ってありませんか?効果的なほめ方についてお話します。
まず、ルールを決めます。良い事と悪い事を決めましょう。家族の中で統一して下さい。良い事はいつも良い、悪い事はいつも悪い。
同じ事をしても良い時と悪い時があると、ワンちゃんは混乱してしまいます。大変なのは、家族の多いお家です。
おねだりをした時にあげないと決めても、おじいちゃんがこっそりとおやつをあげたり・・・という事が起こりやすいのです。
家族会議を開いてみんなで相談しましょう。また、号令や名前の呼び方も統一しましょう。ほめるときは“いい子”“Good”、しかる時は“ダメ”“コラ”などは一般的です。
ワンちゃんや人も含めて、動物は何かしてその後に良い事があると、その行動を繰り返そうとする本能があります。
例えば、レストランに入り、サービスが良く、美味しかった=“良い事、また行こう”と思うはずです。この“良い事”になるのが、“ごほうび”です。ごほうびになるものとしては、ほめること、フード(食べ物)、撫でること、おもちゃ(一緒に遊ぶこと)などがあります。フードを使う場合には、一口大で十分です。
ワンちゃんはもらってうれしいという気持ちがあれば良いので、大きなものは必要ありません。
量より回数を多くあげた方が喜びます。撫でる場合には、ワンちゃんの好きな所を探しましょう。
ただし、いつも撫でられる事の多い小型犬には効果がない事もあります。
ほめる場合のポイントは声のトーンは高く 大げさに 笑顔で 体全体で喜びを表す。はじめはワンちゃんは言葉を理解できないので、ほめ言葉に意味はありません。
ほめた後にフードやおもちゃ、撫でられる=良い事が起こるので、ほめ言葉は良い事なのだとわかるようになります。
ですから、フードやおもちゃはほめる時の補助に使うだけなのです。
最終的にはほめるだけで喜ぶような子にしていきましょう。
よくフードを使うと‘フードがないと出来なくなってしまうのではないか’と心配する方がいらっしゃいますが、フードは補助として使う意識を持って、出来るようになってきたらどんどんフードをなくして、ほめるだけにしていけば大丈夫です。
おトイレの教え方
子犬や小型犬に多い問題の、おトイレの教え方についてお話します。一番大切なのは焦らない事です。
一般的にみて、大型犬の方がおトイレを覚えるのは早いようです。
1: 絶対に叱らないで
昔はよく“鼻を押し付けて叱りましょう”と言いましたが、人が見てない時や、見えない所にしかおトイレをしなくなる事が多いので、そういう叱り方は絶対にしないで下さい。
おトイレをした事自体は悪い事ではありません。ただ、場所が異なっていただけなのです。
場所を決めたのはワンちゃんではなく人間です。まず、ワンちゃんにおトイレの場所をきちんと教えてあげなければなりません。
2: おトイレは人通りの少ない、静かな所に置きましょう
落ち着いておトイレが出来るようにします。おトイレは、ペットシーツか新聞紙をしき、サークルで囲うとよいです。
また、おトイレの大きさは成犬の大きさに合ったもので、小さ過ぎない物を選んで下さい。
広いお家や2~3階建ての場合には、数も多く用意してあげて下さい。
3: おトイレに行きたくなるのは
起きた後、遊んだ後、お水を飲んだ後、お食事の後です。
この時に、おトイレに連れていって、ごほうびを用意しておいて、するまで待ちます。
この時、サークルで囲ってあると遊んでしまったり、どこかに行ってしまったりすることがないので楽です。
待つ時は、ジーッと見ないでただ横にいて、本でも読みながら待って下さい。くるくる回り始めたら、おトイレのサインです。
初めは30~40分待つ覚悟で頑張って下さい。
4: おトイレをしたら
している間に静かに優しい声で(興奮させてはいけません)声をかけてあげて、し終わったところですぐにごほうびをあげて下さい。
当然それは、おトイレの中でペットシーツか新聞紙の上になります。ほめるタイミングが最も大切ですので、注意して下さい。
5: 確実にできるまでは目を離さないで
失敗する場合“ちょっと見てないスキにやられちゃって・・・”ということがほとんどです。
これは犬が悪いのではなく、見ていられなかった、人が悪いのです。
見てられない時は、ケージかサークルに入れましょう。
6: お部屋で自由に遊ばせるときは
必ずおトイレが終わってから、遊ばせる習慣をつけましょう。そうすれば失敗する可能性もなくなります。
“おトイレをしないと自由にしてもらえない”と覚えさせましょう。
活動範囲は初めは一部屋など狭いところから、徐々に広くしていきましょう。
7: 失敗してしまったら
声を掛けずに無視して、静かに片ずけて下さい。できればワンちゃんから見えない方がよいでしょう。
何か楽しい事をしていると勘違いする事もあります。よく掃除をして消臭剤で臭いをとって下さい。
お留守番について
お留守番中に吠え続けてしまったり、おトイレができない、いたずらをするなど、
上手くお留守番ができない場合どうしたらよいのでしょうか?
犬は群れを作る動物なので、一人でいることがとても苦手、いつでも飼い主さんと一緒にいたいと思っているのです。
しかし、人と生活する上では、一人でいることに慣らしていかなければなりません。
1: 安全の為、ケージかサークルに入れてお留守番させましょう
留守番中には何をするか分かりません。電気のコードをかじったり、盗み食いをしたり、異物を飲み込んでしまったり、と危険がいっぱいです。また、変なところでおトイレすることも防げます。
2: 一人でいることを習慣にしましょう
外出しない日でも、少なくとも一日に一度は一人でお部屋にいる時間を作ります。
例えば、人がおトイレ、お風呂、他の部屋に行く時、ゴミを捨てに行く時などを利用します。
初めは短時間(1~2分)から徐々に長くしていきます。くれぐれも、一気に長くしないように気を付けて下さい。
最もさびしがるのは、最初の30~45分です。それを乗り切れるまで、がんばりましょう。
3: 出かける時(一人にする時)、帰ってきた時は何気なく
お留守番の前後の大げさなごあいさつは、さみしいと言う気持ちを助長してしまいます。
また、こちらの心配な気持ちが伝わってしまいます。とくに声をかけずに、さらっと出かけましょう。
また、帰ってきた時に、興奮している間は、構わず(触らない、声もかけない)落ち着くまで待ち、落ち着いたら構ってあげましょう。
こうする事で、興奮している間は相手にしてもらえないと言う事を覚えさせるのです。
4: 吠えている時には、部屋に戻ったり、声をかけたりしないで下さい
こっちに来てと言う犬の命令に従っている事なり、吠えれば戻ってきてくれると思ってしまいます。
吠えている間は無視して、吠え止んだ部屋に戻るようにします。
静かにしたら戻ってきてもらえると、覚えさせるのです。
5: お留守番の前には、十分運動をさせましょう
肉体的に満足していると精神的にもリラックスでき、一人のさみしさが緩和されます。
また、疲れていれば、寝てしまうはずです。お食事をあげてから出かけるのも良いでしょう。
6: 飼い主さんがリラックスして出かけましょう
お留守番は“かわいそう”とか“大丈夫かしら”と心配すると、犬に気持ちが伝わってしまいます。
“たいしたことないよ、大丈夫”という気持ちで出かけて下さい。
7: お出かけの準備に慣らしましょう
お出かけの準備を始めると、“あーこれからお留守番だ”と分かり、不安になる子もいます。
外出しない日も、お出かけの準備をしてみたり、お出かけの準備の順番を変えてみたり、犬に予想しないようにさせます。
8: “待て”の練習をしましょう
飼い主さんと離れて一人で待つという練習です。くれぐれも焦らないように。
ゆっくりと少しずつ時間を延ばし、距離を長くしていきます。
最終的には、ドアを閉めて隣の部屋にいっても待っていられるようにしましょう。
おもちゃについて
おもちゃには 一人で遊ぶものと一緒に遊ぶものがあり、ほとんどのおもちゃは、一緒に遊ぶものです。
一緒に遊ぶおもちゃ
このようなおもちゃは、飼い主さんが一緒に遊んであげなければ楽しくないものがほとんどです。
例えば、ロープ、ボール、ぬいぐるみなどです。ただ与えるだけでは、初めだけ少し遊んで、すぐつまらなくなって飽きてしまいます。
よく“うちの子はすぐおもちゃに飽きてしまって、家中おもちゃだらけなんです。”
という方に会いますが、これは間違った考え方をしていたからです。
遊ぶ時のお約束
おもちゃは誰の物でしょうか?ワンちゃんの物ではなく、飼い主さんの物です。それをワンちゃんに貸してあげるのです。
ですから、おもちゃは飼い主さんがきちんと管理しましょう。
具体的には、おもちゃ箱を用意してワンちゃんの手の届かない所にしまっておきます。
そして飼い主さんの都合でよい子にしている時に遊びはじめ、飽きる前に取り上げておしまいにします。
では、ワンちゃんが自分でボールを持ってきた時にどうしますか?
もし“いいこね”と褒めてボールを投げてあげるなら、ワンちゃんの“投げてちょうだい”という命令に従っている事になります。
つまり逆にワンちゃんにトレーニングされているのです。
このような場合には、ワンちゃんに“おすわり”“ふせ”などの指示を出し、従ったら遊んであげて下さい。
一人で遊ぶおもちゃ
例えば、コングやバスターキューブなど。知育玩具といわれる様な頭を使うおもちゃや、 骨ガム、牛のひずめなど咬むためのものなどです。
お留守番の時、新聞や本を読んだり、パソコンをしていたりと、構ってあげられない時に使います。
これらを幾つか用意して、一週間おきくらいに入れ替え、飽きないようにして下さい。
また、遊んでいる時や咬んでいる時にも、“いい子ね”と声をかけたり、ごほうびをあげたりして良いことがあるように思わせます。
静かに遊んでいる事が当然と思って無視しないで下さい。
そうすると、注意を引く為にいたずらを始めるようになるかもしれません。
咬んではいけない物を咬む時
犬は、手の代わりに、口を使って遊んだり、探求したりします。
では、“咬んではいけない物”って何? これって、人間の都合 なのです。
骨ガムは良いけど、スリッパはダメ。古い靴下は良いけど、新しいものはダメ。何が違うの?
人の都合だけを押し付けてはいけません。人が決めたルールを犬に教えてあげる必要があるのです。
1: 歯がかゆい為
歯が抜け変わる時(だいたい4~6ヶ月)に起こる欲求です。
これは生理的な物なので、抑える事は出来ません。
2: 咬んでも良いおもちゃを与えましょう
例えば、骨ガム、牛のひずめなど
3: あまり興味がない時には
ガムの端をお湯につけて柔らかくしたり、ガムの隙間にごほうびを詰めたり、美味しい味のするものを塗るなどの工夫をしてみましょう。
また、咬んでいる時にほめたり、たまには、ごほうびをあげて、咬んでいると良い事があるように思わせます。
4: 咬んでも良いものと悪いもの、ルールを決めましょう
必ず統一して下さい。同じものを咬んでいて、何も言われない時と叱られる時があると、混乱してしまいます。
5: 片付けられるものは、犬の届かない所におきましょう
6: 古いくつ、靴下、タオルなどは与えないで
犬には新しい物と古い物の区別は出来ません。また、人によって古いものの基準が異なるはずです。
人のものでは無く、犬用のおもちゃを与えましょう。
7: 歯がかゆい時期を過ぎたら
咬む原因として、退屈によるひまつぶし、ストレス、不安などが考えられます。
8: 用事などで見ていられない時は、ケージやサークルに入れましょう
9: 運動量を増やしましょう
咬むのは退屈が一番の原因です。リードを付けて歩くお散歩だけでは、十分な運動になっていないのかもしれません。
ハーハーいうくらいの運動(有酸素運動)が必要なのです。
お散歩に行かなくても、おもちゃなどを使って一緒に遊んであげるだけでも大きな効果があります。
10: 一人で遊べるおもちゃを増やしましょう
11: 叱る時は
一番効果的なタイミングは、しようとしている時です。
している時では、遅すぎます。“ダメ ”“ノー”など短い言葉や大きな音でおどかして止めさせます。
止めたところで、骨ガムや咬んでも良いおもちゃを与え、そちらを咬んだらたくさんほめてあげましょう。